自分のことを抑制できません
子どもたちから質問を募集し、先生の回答とともに紹介する『先生、しつもんです!』。
子どものみなさんはもちろん、大人のみなさんも自分ならどう答えるか、考えて読んでくださいね。
今回の質問は、「自分のことを抑制できません」です。
私は自分のことを抑制できません。
やらないといけない事はやらないといけないのに、ついTVを見てしまったり、余計なことをしてしまったりします。やらないといけないことをしてから好きな事をすればいいのにとわかっているんですが……どうすれば自分を抑制できますか?
(ゆいこ・女の子・小学6年生)
#先生しつもんです! #その他
安心してください。大人もそうです
「自分のことを抑制できない、どうしたらいいか」という質問ですが、この書き出しを読むだけでも、ずいぶん大人な方なのだなぁ、という印象を受けました。難しい言葉を正確に使っているというのはもちろんなのですが、それ以上に「自分の苦手なところを、自分でわかっている」ということに驚き(おどろき)ました。
まず、安心してください。
大人もそうです。ゆいこさんの質問に回答している藤原先生自身も、「好きなことを優先してしまって、やるべきことを先にやれない」という難問に日々、頭を悩ませて(なやませて)います。なかなかうまいこといきません。
そんな中で、自分を実験台にして色々試した結果、少しだけ手応えを感じて今でも続けている方法をお伝えします。
それは「やることをなるべく小さく分けて書き出し、終わったらチェックを入れる」という方法。
例えば、家庭学習を60分やらなければいけないとしましょう。その内容は、宿題の算数プリントと自学ノートという組み合わせだったとします。
自学のテーマは「自分観察」です。
まず、やることをなるべく小さく分けてノートに書いていきます。
◻︎ ノートを開く。
◻︎ タイトルと日付を書く。
◻︎ 宿題プリントをノートの横に置く。
◻︎ 何問あるか数える。
◻︎ プリント1問目を解く。
◻︎ 答えを見てまる付けする。
◻︎ 2問目を解く。
次に、終わるまでやってはいけないことを書きます。
◻︎ 漫画(まんが)を読む。
◻︎ ゲームをする。
◻︎ 友だちとLINEする。
こちらは赤ペンで囲んでおくといいかもしれません。
こんな感じでしょうか。ここまでにかかった時間を書いておきましょう。
10〜15分くらいでしょうか?
後はやるべきことをやっていくだけです。
終わった内容は☑︎を入れて、その度に自分を全力で褒めて(ほめて)あげましょう。
「いいよ、私!」
「天才じゃん!」
「努力できてエラい! よっ、日本一!」
やっていくうちにどんどんテンションが上がって、やるべきことが進んでいきます。そして、全部終わったら、「よっしゃあ!!!」と叫んで(さけんで)みてください。天才になった気分を味わえます。
(家族や近所の人に不審[ふしん]がられないように十分にご注意ください)
終わった後の爽快(そうかい)な気持ちのままで、ここまでの成果やその時の気持ちをノートに書きましょう。「自分観察日記」の完成です。
さぁ、もうこれで赤枠(あかわく)で囲んだ「がまんリスト」に書いていたことを存分に味わえます。その時は低い声で「待たせたな、もう大丈夫(だいじょうぶ)だ」と呟きながら始めると、ヒーロー気分も味わえます。
もしも、途中(とちゅう)で誘惑(ゆうわく)に負けてしまったら、チェックボックスにはドクロマークでも書いておきましょうか。その時は、タイマーをセットして「3分だけ」など決めておいて、またやることに戻れば(もどれば)いいんです。もし戻れたら「今日はこのくらいにしておいてやろう」と呟いて、ドクロマークに赤でバツをつけておきましょう。
まとめると、ゆいこさんは自分のことを言語化するのが上手なので、「やるべきこと」をリストにしてみたらどうかな、ということです。そして、ユーモアを武器に、自分の心のコントローラーを手放さないことを実験してみたらどうかな、ということです。
幸運を祈り(いのり)ます!
藤原先生もこの原稿(げんこう)が終わったので、釣り(つり)に行ってきます‼︎
(北海道公立小学校教諭・藤原友和先生)
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