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【セミナー映像】動画で学ぶ菊池学級の年間指導ファイナル《春の対面講座》in 東京〈前編:約120分〉

菊池省三先生が主宰する「菊池道場」支部長をゲスト講師として招き、その授業動画を通して菊池学級の真髄を学ぶオンラインセミナーシリーズ、2024年度のファイナル(最終回)として東京・蒲田にて実施された《春の対面講座》の記録映像をお届けします。この前編では、各実践者の学級の変容を動画で振り返ります。菊池省三先生による年間を通した「リアル菊池実践」とその検証の集大成をご覧ください。

セミナー後編(午後の部)はこちら
https://kyoiku.sho.jp/movie/380058/

前編(午前の部)――「三学級の成長の軌跡」

菊池省三先生が1年間にわたって三つの学級に継続的に入り、合計5回の飛び込み授業・合同授業を行った記録を基に、4月から3月までの各学級の劇的変容を解説します。それぞれの授業の様子は映画監督・筒井勝彦氏によって丁寧に記録され、「みんなの教育技術」でも連載されました。

午前の部は菊池先生による19年間の教育実践の振り返りと、三人の先生方を選んだ理由の説明から始まりました。10年間で3000時間にも及ぶ飛び込み授業の経験をもつ菊池先生ならではの視点で、各先生の実践の特徴と意義が語られました。

続いて三名の「菊池実践追従の勇者」たちによる実践報告と動画分析です。

徳島支部 堀井雄平先生(熟議担当・5年生)

4月当初は30人中27人がマスクを外したがらず、男女のボスが形成され、けん制し合う閉鎖的な雰囲気だった学級が、「子ども熟議」を通じてどのように変容したのか。自分自身を語ることへの抵抗感が強かった子どもたちが、自己開示できるようになり、ネパール人転入生への自然な関わりにも発展した過程を追います。教師の失敗を教材化する覚悟と子どもたちの反応から、対話を通した民主主義の学級づくりの真髄が明らかになります。

千葉支部 植本京介先生(ディベート担当・5年生)

エネルギーはあるものの授業が成立しにくく、足元さえ定まらない状態だった学級が、ディベートを通して知的な面白さに目覚めていく過程を検証します。「ディベートを学ぶ」から「ディベートで学ぶ」への転換により、社会的な問題への関心や相手の立場を尊重する態度が自然と身に付いていく様子が映し出されます。発達特性のある児童の良さが引き出され、学級全体の聴き合う力が高まっていく実践は、新学習指導要領がめざす対話的な学びの具体的モデルとなります。

高知支部 小笠原由衣先生(関係づくり担当・2年生)

高知大学附属小学校の2年生クラスで、失敗を責める攻撃的な言動や消極的な女子児童が多く、物理的な「輪っか」さえ作れなかった学級が、ほめ言葉のシャワーや係活動を通して変容していく過程を分析します。受験環境で育ってきた子どもたちが、褒められる経験を通して自己肯定感を高め、コミュニケーション活動を自ら企画運営するまでに成長する様子が克明に記録されています。教師自身の表情や関わり方の変化も併せて検証されます。

実際の教室の映像を通して、三つの異なる環境での実践に共通する「民主主義の教室づくり」の視点と、教師と子どもが共に学ぶ姿勢の重要性が浮き彫りになります。菊池省三先生の温かいコメントと鋭い分析によって、実践の本質と価値がより深く理解できる内容となっています。

学級づくりにおける教師としての覚悟とゴールイメージを明確にしたい方、子どもたちの成長を固く信じて奮闘したい方、民主的な教室づくりの具体的手立てを学びたい方に必見の記録映像です。午後のディスカッションもあわせてご覧ください。

※本映像は2025年3月22日に開催された「小学館せんせいゼミナール」対面講座の記録です(主催:小学館 教育編集室)。

出演者紹介

菊池省三(きくち・しょうぞう)
1959年愛媛県生まれ。2014年度まで福岡県北九州市立の小学校教諭を務め、退職。「学級崩壊立て直し請負人」の異名を持ち、その足跡を記録したドキュメンタリー映画も複数制作されている日本有数の教育実践者。現在、教育実践研究サークル「菊池道場」主宰、教育実践研究家。著書は、「菊池省三流 奇跡の学級づくり」「菊池省三の学級づくり方程式」「一人も見捨てない! 菊池学級 12か月の言葉かけ」(すべて小学館)など多数。

堀井悠平(ほりい・ゆうへい)
徳島県公立小学校教諭。菊池道場徳島支部長。共著に『菊池流 このひと言で子どもが動く!言いかえフレーズ』(学陽書房)がある。

植本京介(うえもと・きょうすけ)
千葉県公立小学校教諭 菊池道場千葉支部長。埼玉県幸手市、千葉県柏市で教員研修講師を務める。共著『菊池省三 365日の良いお話 小学校 教師の語りで紡ぐ最高の教室』(明治図書)が2025年2月に発売予定。

小笠原由衣(おがさわら・ゆい)
高知大学附属小学校教諭。菊池道場高知支部長。共著に『菊池流 このひと言で子どもが動く!言いかえフレーズ』(学陽書房)がある。

セミナー内容(午前の部)

オープニング

  • 菊池省三先生による1年間の振り返りと講座趣旨説明
  • 3名のゲスト講師紹介と選定理由

3学級の1年間の軌跡(動画分析)

堀井学級(徳島・熟議担当)

  • 閉鎖的だった5年生学級の変容
  • 子ども塾議を通じた自己開示と聞き合いの実現

植本学級(千葉・ディベート担当)

  • エネルギーが発散していた5年生学級の成長
  • ディベートで培った力の日常化と思考の深まり

小笠原学級(高知・関係づくり担当)

  • 攻撃的言動が多かった2年生学級の変化
  • ほめ言葉のシャワーと係活動による自主性の芽生え

まとめ

  • 3つの実践に共通する「民主主義の教室づくり」の視点
  • 教師と子どもが共に学ぶ姿勢の重要性

セミナー後編(午後の部)はこちら
https://kyoiku.sho.jp/movie/380058/

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