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「みんな静かにして!」と言ったら逆ギレされます

特集
いつでも「先生、しつもんです!」

千葉県公立小学校教諭

松尾英明

子どもたちから質問を募集し、先生の回答とともに紹介する『先生、しつもんです!』。
子どものみなさんはもちろん、大人のみなさんも自分ならどう答えるか、考えて読んでくださいね。
今回の質問は、「『みんな静かにして!』と言ったら逆ギレされます」です。

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わたしは学級代表だから先生がいなくてみんながうるさくしているときに「みんな静かにして!」と言ったら気づいて静かにするひともいるけど、大体の人が逆(ぎゃく)ギレして「えらそうに命令すんな!」と返されます。わたしがまちがっているのでしょうか。教えてください。お願いします。
(猫大好きっこ・女の子・小学4年生)
#先生しつもんです! #友だちのこと

注意するのは先生の役割だと割り切ってOK

先生がいない時に自分が何とかしなきゃと思って行動できるなんて、猫大好きっ子さんはとても責任感(せきにんかん)の強い人なのですね。

この思いは、決して間違って(まちがって)はいません。正義感(せいぎかん)と勇気にもとづいており、大人でも「我(われ)関せず」という人が多いこの世の中で、むしろ尊い(とうとい)存在(そんざい)といえます。

しかし、思いがどんなに正しくとも、現実(げんじつ)の行動に移す(うつす)にあたっては工夫が必要です。そうしないと、正しい人の方が傷つく(きずつく)ことになります。

まず大前提(だいぜんてい)として、学級代表といえど、全員が同じクラスメイトであり、立場は平等です。同じ立場の人間同士では、ちょっとした注意も「上から目線の命令」と誤解(ごかい)され、摩擦(まさつ)、反発が生まれることがあります。お店の中で自分が先だとか何だとか下らないことでけんかをしている大人たちを見ればよくわかりますね。

この場合、店員さんや警備員(けいびいん)さんなど、「文句(もんく)無しに注意すべき立場」の人が注意するのがベストです。教室なら、やはりここは先生ですね。今回のケースのようにその場にはいない場合、無理に一人でがんばらず、あとで先生に相談するのも立派(りっぱ)な方法です。

その場がうるさくていやな思いをしている人が他にもいないでしょうか? そういう仲間とも話した上で、一緒(いっしょ)に先生に相談するのがいいかと思います。そこから先は、完全に先生のやるべき仕事です。場合によっては、学級会などをつかって全員で話し合うのがよいでしょう。

学級代表は、みんなの声の代表者として学校での話合いに参加するのが主な役割です。叱ったり(しかったり)注意したりするのは、先生の役割。

やさしい猫大好きっこさんのような人が傷つくのは、先生たちにとっても一番苦しいことなのです。あなたの思いは決して間違っていません。だからこそ、素敵(すてき)な自分を大切にしてくださいね。

(千葉県公立小学校教諭・松尾英明先生)

※募集は終了いたしました。 

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