学校では、なぜみんな同じ事をやらなければならないのですか

特集
いつでも「先生、しつもんです!」

千葉県公立小学校教諭

松尾英明

子どもたちから質問を募集し、先生の回答とともに紹介する『先生、しつもんです!』
子どものみなさんはもちろん、大人のみなさんも自分ならどう答えるか、考えて読んでくださいね。
今回の質問は、「学校では、なぜみんな同じ事をやらなければならないのですか」です。

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学校では、なぜみんな同じ事をやらなければならないのですか
(トリトン・小学6年生)
#先生しつもんです! #その他

「違い」を育てるための「同じ」をくれるのが学校だよ

学校でみんな同じ事をやることに不満があるんだね。よくわかります。そういうことは、個性がないように思えてしまうよね。

ところで、世の中には、全て枠組み(わくぐみ)があります。

例えば、サッカーでも、定められたルールとフィールドの中で自由にプレーをします。自由というのは、枠組みの中にこそあります。ボールを蹴って(けって)ゴールに入れるという同じ事をそれぞれ工夫して行う訳です。その同じ事の中に感動的なスーパープレーがあります。

また、みんなと同じ事をしていても、すごい人は違います。みんなができる「当たり前」のことでも、徹底的(てっていてき)にやる人は結果が全く違います。

学校でも同じで、みんなと同じ事をしているのに、全く違う結果を出す人もいます。個性とは、みんなと全く同じ事をしていても、異なる性質として滲み(にじみ)出てしまうもののことです。だから、みんなと同じ事をしていても、それぞれの個性で結果はどうしても違って(ちがって)きます。

学校は、そういう枠組みを与えている場ともいえるのです。一見同じ事をさせているようで、結局育つものは違うという前提があります。

ただトリトンさんのように、当たり前を問い直す姿勢はとても大切です。それに気づいただけでも、みんなと同じ事をしている学校で、違った存在だといえますよ。

同じ事を「させられる」のではなく、自ら選択(せんたく)して未来を切り開いてね。

(千葉県公立小学校教諭・松尾英明先生)

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