第3章 学級活動の実践2
Lesson2
児童理解の方法
2.1. 児童理解を実践できていますか?

児童理解は新学期の重要な仕事の⼀つです。児童理解につながる取り組みを確認しましょう。
児童理解のために行うことを2つ紹介します。

1. 前年度までの情報を引き継ぐ
2. 子どもと積極的に関わる

1. 前年度までの情報を引き継ぐ

これまでの学習や生活の様子を把握しましょう。しかし、子どもたちは日々、成長し変化します。引き継ぎで得た情報は、あくまで頭の片隅においておく程度にしましょう。

昨年度の担任から引き継ぐ主な内容
       

健康調査書

  • 既往歴、アレルギーなどの担任が気をつけること
  • 保護者からの要望

家庭調査書

  • 家庭環境において気になったこと
  • 教材費や給食費の未納・滞納について
  • 就学援助費や生活保護を受けているか

指導要録

  • 学力に応じて前担任が気をつけていたこと
  • 特に注意して行っていた支援

その他

  • 友達関係や学級での行動の状況など
  • 習い事や得意なこと、スポーツ少年団への所属など

引き継ぎで得た情報で、子どもに対して勝手な思い込みをしないようにしましょう。

2. 子どもと積極的に関わる

児童理解の一番の方法は、実際に子どもと対話し、感じ取ることです。教師として、子どもたちとよい距離感をとって、結びつきを強めましょう。

子どもたちとの適切な
距離感を保つポイント3つ
ポイント1:
切り替えを明確にする

授業と休み時間で言葉遣いを切り替えるなど、区別をはっきりさせましょう。

ただし、メリハリをつけていないと、子どもに指示が通りにくくなるので注意しましょう。

ポイント2:
自分を理解し、生かす

校庭で一緒に体を動かすこと、子どもと一緒に演奏したり、絵を描いたりすることなど、積極的に自分の個性を生かして子どもと関わりましょう。

若さは子どもたちを引きつける魅力! 休み時間は子どもたちとの関わりを増やしましょう。

ポイント3:
アンテナを張り巡らせる

子どもたちが興味があるもの、どんな会話をしているかなどの情報を収集して、会話の糸口にしましょう。

子どもたちからの情報だけでなく、日常の中で拾える情報もあります。

⼀緒に過ごすことで子どもの「良さ」を見つけることができます。児童理解が深まることで、先生と子どもだけでなく、子ども同士のより良い関係をつくることができますよ。



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