第1章 学級経営の基礎
Lesson3
学級集団の指導の実際
3.1. 学級経営において、⼦どもの⾃主性を育むためのステップを意識していますか?

一年間の学級づくりを踏まえ、教師の指導姿勢について考えましょう。

一年間の学級づくりの流れ

4月当初には単なる「子どもの集まり」である学級を、一年間をかけて「望ましい学級集団」につくり上げる過程が、学級経営における学級づくりです。学級をつくる過程には、一定のステップがあります。 学級がどのようなステップを経て形成されていくのかを知ることで、自身の学級経営に⼀年間の見通しをもつことができます。

ステップ1
教師主導期

ステップ1は主に一学期前半。教師がリーダーシップを発揮して、子ども同士のより良い人間関係を築く場面を意図的に設定する時期です。
教師は学級集団がめざす方向性を決める 学級目標の設定 や、学級目標達成の実現に向けて、豊かな学級生活をつくるための係活動などの 学級組織の確立 を子どもと一緒に進めていきます。

また、子ども相互がコミュニケーションを図り、ルールを構築するための 話合いの進め方の指導 など、 集団活動の基礎基本の事項を子どもに指導 し、学級内のルールや規範を構築していきます。

ポイント1:
より良い集団活動を展開しよう

教師がリーダーシップを発揮して、子ども同士のより良い人間関係を築く場面を意図的に設定することで、子ども同士はより良い 集団活動に慣れ、みんなで協力して活動することの楽しさや心地よさの経験を積み重ねる ことができます。この経験を積み重ねることで、学級内にルール遵守の雰囲気や行動規範が生まれていきます。

ポイント2:
学級目標を設定しよう

ここで設定する学級目標は、教師にとっても子どもにとっても大切なものです。十分に話合いをしたうえで、 子ども・学校・家庭の願いをもとに、「入れたい言葉」「こめたい願い」を取り入れながら 教師が決定します。子どもが「自分たちで考えた」と感じられるような活動過程を大事にしましょう。

ポイント3:
学級目標を日々の活動で実践しよう

学級目標は、つくって終わりではありません。つくったところからがスタートです。進級・卒業という名のゴールに向かい、学級全員で常に意識して活動を進めましょう。

学級目標は子どもたちの思いや願いを生かしてつくったものですから、学級の一員として、 多くの活動の中で意識 できるように、教師として声がけをしていきましょう。



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