【特定の生徒に嫌われている気がします】

公立高校で教諭をして3年の者ですが、あまりにもクラス全体がふわふわしてたので少し全体に指導・注意をしました。すると1人の女子生徒が自分1人のことだと思い、そのきっかけから私の授業を出なかったりするようになり…。

周りの先生からその生徒に「君だけでなく全員に言われたんだよ」と伝えてもらいました。私の会話を無視することはないんですが、少しぶっきらぼうです。

これ以上アクションを起こさず、様子を見たほうがいいのでしょうか?そんな生徒全員に好かれるなんて難しい話なんですが、少し気掛かりになっています。この気持ちはどうしたらいいでしょうか? 教師に向いてないんですかね…。(みとさん先生・20代女性)

目の前の生徒をしっかり見つめているからこそ、ちゃんと注意をし、声をかけられるのです

回答:元中学校校長、「全国教育交流会」代表 中野敏治

みとさん先生は、クラス全体を見て、「今のままでは目の前の子供たちの成長が心配」と思って、クラス全体に注意をしたのでしょうね。その注意をしたことを後悔する必要はないと思います。先生の行動は生徒のことを考えての行動です。その瞬間の先生の判断は間違えてはいないと思います。

相談内容をじっくりと読ませていただくと、先生が注意をした瞬間は自分を信じての行動だと思いますが、その後の生徒の様子に自分の行動が間違えていたのではと思っているようですね。

生徒は、自分たちのことを真剣に考えてくれる先生を好みます。注意を受けるとその時は嫌な顔や態度をとることもありますが、心の中ではまっすぐに自分たちを見ていてくれるとわかっているはずです。もし、クラスの様子が気になりながらもその状態をそのままにしたり、人に迷惑をかける行動をとる生徒に注意もせず無視したりしていたら、生徒はどう思うでしょうか。

目の前の子供たちの存在をしっかりと見つめているからこそ、しっかりと注意をし、声をかけられるのです。生徒に嫌われないように、生徒に好かれるようにと、生徒に甘い指導をしている教師は、いずれ生徒が離れていきます。

なぜ、教師は目の前の生徒を注意するのでしょうか? そのことを考えてみたいと思います。教師が生徒にばかにされているからと思うからでしょうか。教師の言葉を聞かず、教師自身の感情的な思いからでしょうか。いや違いますね。

生徒を注意するのは、大切な生徒のためです。目の前の生徒がこのままの状態では心配で、声をかけ、注意をしているのです。

教師が生徒に好かれることが指導の目標ではなく、生徒たちが自立して社会で自信を持って生活できることが目標です。そのために、たとえ短い期間であっても生徒と関わりがある大人が生徒を無視することなく、真剣に生徒と向き合い、「それはちょっと違うんじゃないかな」と声をかけていくことが大切なのです。その時に生徒に嫌われようと、いつか必ず教師の言葉の意味がわかるはずです。

ただ、注意には仕方があります。「その場で、短く」です。数日後に「あの時のあなたの態度は良くないです」と言われたり、お説教のように長々と注意を受けたりするのは、それがどんなに正しいことでも生徒の心には届きません。生徒の心に届かなければ、生徒は変わることはありません。

注意する時の口調にも注意が必要です。全体に諭すように伝えたいなら、一呼吸おいて、やや低い声で語るように話すのがよいでしょう。急に騒がしくなった時などは、瞬間的に一言で注意をすることも必要です。授業でもそうですが、人に思いを伝える時は、しゃべり口調は重要です。生徒への注意の仕方は、授業の指導方法とも共通点があります。

一人の女子生徒は、もしかしたらHSP(Highly Sensitive Person 一般的には「繊細さん」と呼ばれています)かもしれません。5人に1人はいると言われています。関係する本を読まれると今後の指導に幅が出てくると思います。でも、意識することも大切ですが、それによって指導がブレないようにはしたいです。

今までの自分の指導方法を信じて大丈夫です。教育の軸は生徒だということを忘れないようにして、生徒に好かれたいという指導より生徒の将来の姿を思う指導をしていきましょう。

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