小1国語・算数「楽しみながら力を伸ばす 」一学期の家庭学習アイデア

低学年の子供たちが、楽しみながら取り組めて、自分からどんどん学びたくなるような、一学期の家庭学習のアイデアを紹介します。

執筆/北海道公立小学校教諭・鹿野哲子

しかの・てつこ 1974年福井県生まれ。共著に『小学1年の学級づくり&授業づくり12か月の仕事術』『小学校低学年学級経営すきまスキル70』(ともに明治図書出版)他、多数。

子供が自ら学びたくなるような、家庭学習の習慣化を働きかける

子供たちに、楽しく家庭学習を続けてもらうために、工夫を重ねている先生も多いと思います。本校では、2年前から全学年で統一した家庭学習ノート『にこたんノート』(写真下)に取り組んでいます。「にこたん」とは、本校のキャラクターです。学習ノートを見開きにして左側に宿題プリントを貼り、右側に自主学習を書き込むシステムです。

つまり、学級担任として必ず取り組んでほしい復習内容等を「宿題」として出し、その子自身が興味関心のあるものに自由に取り組む「自主学習」とセットにして『家庭学習』と位置付けています。

このような取り組みを始めた背景には、「一人一人に確かな学力を」という、大きなねらいがありました。加えて、新学習指導要領にて示された『学びに向かう力』を解釈したとき、数値化できる学力では測りきれないもの、しかし、学力に直結し得る「好奇心」「意欲」「相手意識」「持続力」「自己抑制力」「自己調整力」「粘り強く取り組む力」といった非認知能力を育む一つの手段として、家庭学習を捉え直した経緯があります。

にこたんノート

私たち教師は、授業そのものの工夫だけでなく、各家庭としっかり連携しながら、子供たちが、〝自ら学びたくなる〞ような「家庭学習」の習慣化を、一人ひとりに働きかけることが大切だと考えます。

子供たちが、新学年の学校生活にも慣れてきたこの時期は、家庭学習をスタートさせるよいタイミングです。学年や子供の実態によって、対応を探る必要はありますが、取り組みに向けて準備を進めていきましょう。

保護者の協力があってこそ

まず、低学年における家庭学習に関しては、何より保護者の理解と協力が必要不可欠です。事前に、その目的や方法を文書でお伝えしましょう。また、隣の学級との差が生じないよう、学年で相談しながら取り組み始めることも大切なポイントです。

目的・願い・方法を明確に

学年通信等を活用し、学校または学年としての考え方を保護者に周知します。

目的 
❶家庭学習の習慣を身に付ける。
❷自分で考え、自主的に学習に取り組む姿勢を育てる。

まずは、毎日10〜20分でよいので「机に向かう習慣」を付けていくことを目標とし、その際は、「テレビの音を消す」「家族やきょうだいも一緒に新聞を読んだり、読書をしたりする」「音読するときは、横で聞いてあげる」「困ったときは、一緒に考えてみる」など、協力をお願いします。また、家庭学習の取り組みによってどんな子供に育ってほしいか、「教師の願い」も併せてお伝えしましょう。

めざす子供像 合言葉は「学びを楽しむ!」
❶自ら学ぼうとする子
❷計画的に取り組める子
❸粘り強く考え工夫できる子

最後に、具体的な「方法」です。

進め方
・学習で使っているマス目と同じノートを用意する。
・月のはじめに1週間のメニューを考えノートの1ページ目に貼る(下図参照)。
・メニュー(計画)通りに進めるのが基本だが、場合によって変更も可とする。

人数の多い学級では、ノートを2冊用意し、交互に使用することで、放課後に担任が落ち着いて点検する時間を確保しましょう。

にこたんノート


これらの『目的・願い・方法』については、保護者だけでなく子供たち自身の理解と納得も得られるように、学級全体へ指導します。

宿題プリントは、国語・算数の復習内容を中心に用意し、B5判の周りを切り落としたものを貼るように指示します(ノートの端からはみ出さないよう、低学年では、貼りやすい大きさに切ったものを配付します)。

右側の自主学習ページに関しては、いきなり「やってみましょう」では、子供たちは何をどうしてよいのか分かりません。家庭への丸投げにならないよう、学級でていねいに指導を重ねます。実際に、いくつかのアイデアを紹介していきます。

小一【国語】家庭学習アイデア

まずは、お絵描きから楽しく

一年生は、ひらがなの学習に入りますが、その練習は「宿題」で取り組むこととし、残りのページは自由にお絵描きを楽しむことから始めましょう。「動物」「野菜」「果物」「学校にあるもの」「先生の顔」など、教師がテーマを決めてもよいですね。

好きなものの名前

次に、より多くの言葉に親しむという観点から、好きな食べ物や好きなキャラクターの名前を書き出すことに挑戦します。

また、その日に習ったひらがなの付く言葉集めも楽しいです。「つき・つめ・つる・つみき・つくえ」など、はじめにいくつかの言葉を教室で一緒に書きこんでおくと、家庭でも自分で書き進めやすくなります。「困ったら、おうちの人と一緒に考えてね。いくつ書けるかな?」「10個集まったらスーパー一年だなぁ!」などと声をかけると、子供たちははりきって取り組みます。まだ習っていないひらがなも、どんどん書いてみることが、文字への興味関心を引き出します。

今日の出来事「せんせい、あのね」

「せんせい、あのね、きょうのかえりにさらちゃんと、おはなをつんだよ。あおいおはなだったよ。かわいいよ。」

「せんせい、あのね、きょうのごはんは、みんなでおすしをたべたよ。たべすぎて、おなかがいたくなったよ。」

日々の出来事を、「せんせい、あのね、」の書き出しで書かせます。主語・述語の使い方、助詞の使い方、句読点の付け方……まだまだ身に付いていない部分もあるかと思いますが、書く活動を通して「表現する」「伝える」ことの楽しさを感じさせたいものです。

小一【算数】家庭学習アイデア

数字のかくれんぼ

ひらがなと同じように、数字の練習に入る一年生。お絵描きの延長で、好きな絵の中に数字を隠す学習も、算数の復習になります。

例えば、「1」を「おはし」の中に、「2」を「あひる」の中に、「3」を「お花のはなびら」の中に、「4」を「三角旗」の中に……のように、数字と物を重ねて描きます。教師が見本を描いてみせると、子供たちは「あ、あの中にもある」「ぼく、もっと面白い絵を思い付いたよ」などと盛り上がります。楽しみながら、数字に慣れ親しむことができます。

数字のかくれんぼ

数字を数で表す

一方で、数の概念を育てることも大切です。「1は、りんごが一つ」「2は、えほんが2さつ」「3は、うさぎが3びき」というように、数字と数を照らし合わせた絵を描く学習がよいでしょう。中には絵を描くこと自体が苦手な子もいます。そんなときは、丸印だけでも十分です。正しい数の分だけ丸を描くことを、目標とします。

「なんばんめ」クイズ

これも算数の学習からです。「前から3びき」と「前から3びき目」の違い、また「うしろから4番目」と「うしろから4人」の違いなどの場面を、自分で表現できることをめざします。宿題プリントで出した問題を、隣にもう一度書き写すところから始めてもよいでしょう。

イラスト/斉木のりこ

『教育技術 小一小二』2021年6/7月号より

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