保護者に「読みやすい!」と喜ばれるプリントづくりの鉄則

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時間をかけて一生懸命作った保護者宛てのプリントも、保護者の手に渡り読んでもらわなければ意味がありません。今回は、わかりやすく伝わるプリント作りを追求した、栗田正行先生のプリント作成術をご紹介します。

執筆/私立高校数学教員・栗田正行

栗田正行●私立高校の現役数学教員。一度教職に就くが退職し、料理人、塾講師を経てさまざまなスキルを身につけた後、再び教職に。『保護者の心をつかむ「言葉」のルール』『効率が10倍アップする!「時間」を生み出す教師の習慣』(共に東洋館出版社)ほか、ベストセラー多数。

教室イメージ
撮影/浅原孝子

「保護者宛ての文章の悲劇」を乗り越えて

時間がない中、あなたが一生懸命つくった保護者宛ての文書が、配付した数日後にアコーディオンのようになって子どもたちの机やランドセル、バッグの中から発見される……。先生になると誰しも一度は味わう苦い経験です。

机からプリントがアコーディオン状になって出てくるイラスト

「そうなってしまうのは、その子がだらしないからだ」と一蹴するのは簡単ですが、それではいつまで経っても事態は解決しません。そのような状況を打破すべく、私がとった行動は保護者が思わず読みたくなってしまう文書・プリントを作成することでした。

その結果、私は高校に勤務しているにもかかわらず、三年間担任した生徒の保護者の方が、三年間分の学級通信をファイリングしてくださっていたといううれしい報告をいただいたこともあります(その事実を卒業式の日に初めて知りました)。

今回は、私が保護者宛てのプリントを作成する際、意識していること・実践していることをお伝えしていきます。

プリント作成における「3つのルール」

ルール① 「アナログ」で書く
ルール② 「デジタル」で入力する
ルール③ 読みやすく「工夫」する

これは私がプリントを作成するとき、実践している「3つのルール」です。

私は過去、学習塾の塾長として塾生の保護者宛てに文書を作成していた経験があります。学校と大きく違う点として、一枚のプリントがクレームにつながり、退塾にもつながることから、文書作成について、上司から何度も指導を受けました。そのときの経験が、今の私のプリント作成スキルの礎となっています。

その後、教員となり、多くの書籍で得た知識を融合させて完成したのが、この3つのルールなのです。これらのルールは、あなたにとって当たり前のことばかりでしょうか。これをお読みになっている熱心なあなたであれば、すでに実践されていることもあるかもしれませんね。興味がある項目だけでも読んでみてください。

ルール①「アナログ」で書く

まず、プリント作成のファーストステップは、読んで字のごとく、アナログ、つまり鉛筆やペンで書くということです。

これは下書きを全部手書きする……という意味ではありません。手書きするのは、作成しようとするプリントの構想です。具体的には、次のようなことをまとめるとよいでしょう。

・必ず伝えたいこと
・書くべき項目
・連絡事項等の留意点について

裏紙などに走り書きで構わないので、大まかな構想をまとめます。何を隠そう、この原稿もまた、手書きの構想プリントをもとにパソコンで入力しています。

そもそも、パソコンで文書を作成することは、ある意味、作業のようなもの。ですからこの手書きという段階では、思考しながらプリントイメージを事前にまとめるのです。そうすることで、内容の漏れや重複を防ぐことができます。

まったく初めての文書作成の場合、レイアウトもこの段階でイメージを膨らませておくと、作成がスムーズになります。パソコン画面を前にして悩む時間が大幅に削減されるというのも、アナログで書くメリットだということも付け加えておきますね。

ルール②「デジタル」で入力する

次の段階は、アナログでまとめた内容をパソコンなどで入力していきます。手書きは趣があってよいのですが、二度以上作成するかもしれないプリントであれば、次のような理由からデジタルで作成するほうが、より好ましいでしょう。

・データで保存できる(場所をとらない)
・フォーマット化できる(手間が省ける)

デジタルで入力すると言っても、ここで試してみてほしい原則があります。それは、「はじめ文面のみ」の原則です。難しいことはありません。最初は文面のみ入力していけばよいというだけです。

後ほど詳しく説明する文字修飾などの工夫はすべて後回しにして、文面のみ入力するのです。作業効率の面からも、同じことはまとめてやるほうが時間も手間も省けます。これまで文書作成に時間を奪われていたのであれば、ぜひこのルールを遵守してみてください。わずかな時間短縮でも、積もり積もれば大きな時間の貯蓄になりますよ。

ルール③ 読みやすく「工夫」する

最後のルールは、書き上げたプリントを読みやすくするために修飾することについてです。この工程は、これまでの二つのルールをより生かすための魔法とも言えます。

このルールを意識しないと、あなたが紡いだ思いや珠玉の言葉たちが保護者の心に届かない場合があります。多忙な保護者の目線になり、「読んで当然」ではなく「読んでもらう」ための工夫をしていきましょう。

一例として、以下に私が実際に作成している学級通信を載せます。ルール③を意識する前後の違いを見ながら、どのような点を意識しているのかを確認してみてください。

4段階でプリントを読みやすくする

第1段階 一番目立たせたいところは、枠で囲む!

この工夫は、保護者に一番伝えたい内容を表記するときに、ぜひ活用してほしい工夫です。

文章の中に枠をつけると目立ちます

私はこれを看板効果と呼んでいます。さらに、一覧を掲載する場合は、文字だけより、表にしたほうがわかりやすく、説得力が増します。ちょっとの手間で効果抜群ですので、まだ実践していないのであれば、ぜひ試してみてください。

さらに、大きな見出しと目立つフォントを伴えば、大きなインパクトを与えることができますよ。

第2段階 フォントを工夫する!

見出し・より強調したい部分は、フォント自体を変えるのも一つの手です。フォントをバラバラにしすぎると逆に読みにくいことから、使用するフォントは2~3種類ぐらいが適切です。

第3段階 太字や下線で重要事項を強調する!

保護者にどうしても伝えたい、おさえてほしい項目・文面は太字や下線を活用して強調しましょう。

第4段階 写真やイラストを活用する!

イラストや写真を掲載します。子どもたちの写真を載せる場合は、事前に子どもや保護者に一言伝えておくと、トラブルにつながりません。

Before

Beforeのプリント「これでも十分まとまってはいるけれど」

After

Afterのプリント

ただし、これらの「工夫」には注意点があります。それは、こだわりすぎて過剰品質になってしまうと、時間だけが膨大に奪われてしまうという点です。ですから、タイマーなどで制限時間を決めて作業することをおすすめします。ここで書いたことはすべて、私が本を執筆する際にも意識していることです。

参考/栗田正行著『保護者の心をつかむ「言葉」のルール』(東洋館出版社)

【関連記事】学級通信の作り方についてもっと知りたいという方はこちらの記事もあわせてお読みください→ 保護者に好評!学級通信(学級だより)作りのポイント

イラスト/the rocket gold star

『小一教育技術』2016年7/8月号より

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